ヨーロッパの「問題児」から「優等生」へ。

ポルトガルの聖地ファティマ

欧州各国が新たなロックダウンや行動制限政策に力を入れる中、一時は100万人当たりの感染者数が欧州最大であったにも関わらず、現在はその数値も欧州で最も少ない国となることができ、ポルトガルは段階的な「緩和」政策施行の段階に入った。

3月15日から営業が許可された業種(つまり、閉店を余儀なくされていた業種)は以下の通り。

・保育園、幼稚園、小学校低学年(ポルトガルの教育制度により、小学1年生から4年生までが該当)、その他の課外教育機関(対象年齢は、前述の教育機関と同じ)。

・ミサ(教会)。集団的宗教行事は引き続き禁止。

・商店(飲食含む)の店頭販売。つまり、入店禁止は継続。テイクアウトなどが該当。飲食店に関しては、「飲料」の店頭販売が許可されたのは大きい。

・本屋、図書館(書物保管庫も含む)、CDショップなどの楽曲の販売を行う店舗。

・自動車販売業、不動産仲介業(共に店舗営業が許可されたことを意味する)。

・美容室・理髪店(マニキュア・ペディキュアのみも含む)。

イースター休暇明けから(4月5日)は、飲食店のテラス席(店舗の外に併設される客席)、博物館、宮殿(入場観光を指す)、ジム(複数人によるグループでのトレーニングは引き続き禁止)などの営業が許可される見通し。

これらの営業の許可は、10万人あたりのコロナウイルス感染者数が120人以下であることが条件とされている。

ポルトガルの新規感染者数は、ヨーロッパの中でも少なくなっている中、今まで「閉鎖」を余儀なくされていた業種の「再スタート」がいつになるのか、感染者数を抑え込みながら、ポルトガルは経済の回復に取り組もうとしている。

ポルトガル北部の都市「ブラガ」が2021年度の    ヨーロッパ・ベスト・デスティネーション(ヨーロッパで最も訪問すべき街)に選ばれる!

ブラガ・ボンジェズス

コロナ禍で、なかなか穏やかな話題が少ない中、ある一種の「希望」を与える話題として、ポルトガルメディア各局が報じたのが、「ベストデスティネーション」受賞の話題。

ヨーロッパの文化と観光を促進するために作られた機関(本拠地はブリュッセル)が、   オンライン投票で「最も訪問するべき街」を決定するというもので、投票自体は世界中どこからでも可能(2012年、2014年、そして2017年ともポルト市が選ばれたが、得票数の中で、アフガニスタンやイラクなどからも投票があった)。

リスボンは政治の街、ポルトは経済の街、そしてブラガは信仰の街として紹介されることもあるポルトガル。その名の通り、ブラガにはBOM JESUS(ボン・ジェズス)という「聖域」が建造物と自然が見事に調和し、訪問者を迎えている。「神のいる場所に近づく階段」とされる「五感の階段」は577段ある(階段の側に、ケーブルカーもあります)。

ケーブルカー前

「真の自分と向き合うため」に、巡礼に来る訪問者はヨーロッパのみならず、世界中から来訪している。

五感の階段

非常事態宣言の延長(3月1日まで)が決定。     ポルトガルで今できること、できないこと。

リスボン市のメトロ(去年のロックダウン時)

感染者数は減少傾向が続き、病院の逼迫状況も軽減されつつあるものの、         急激な規制緩和は無く、油断は大敵との姿勢崩さず。

ポルトガルで今できること、できないことは以下の通りです。

自宅待機は義務。しかし、以下の場合を除きます。

⓵ 食料品および日常生活に欠かせない物品の購入のための外出。

②:労働目的の外出。

③:「健康的な運動」目的のための外出(つまり、短時間および居住地周辺のみに限る)。

④:労働目的の外出に関し、在宅勤務ではなく、通勤あるいは出社などが必要な場合、雇用者が発行した(作成した)宣言書を携行しなくてはならない。(〇〇の仕事のために、〇〇へ外出する必要性があることを示すため)

⑤:他の自治体間での移動の禁止(週末のみ)。しかし、健康上の理由(治療・診察など)や就労目的(雇用者の宣言書の携行義務)、親権行使の場合を除きます。

⑥:生活必需品(食品など)の小売店(スーパーマーケット含む)は、継続的に営業が許可されています。今回の非常事態宣言延長では、本(教育書も含む)の小売店での販売も認められています。(本屋さんは店舗営業が認められていませんので、オンラインでの販売および配達に留まります・・・)

⑦:飲食店の店頭や近隣で待機あるいは留まること、そしてアルコールやコーヒーなどの  飲料の消費や販売は禁止されています(あくまでも店頭での販売に限ります。また、20時以降はアルコール飲料の販売・配達は禁止されています)。

⑧:飲食店に属さない、他の業種(本屋など)の店頭販売は禁止されています。

⑨:大型ショッピングモール内の飲食店の営業停止(デリバリーも含む)。

⑩:ディスカウントなどのキャンペーンの禁止(安売りなどで、店舗内に「密」の環境を作らないため)。

⑪:家具、インテリア装飾品、家庭用の繊維製品、ゲームやその他の玩具、スポーツ用品、アウトドア用品、旅行用品、アパレル(靴やアクセサリーを含む)用品の販売は禁止されています。

⑫:公共のスペース(公園を含む)は、あくまでも健康目的の「散歩」など、「通行」までに留められ、ベンチなどに座るなどの「待機」あるいは「滞在」することは禁止されています。

⑬:教育機関での授業は「リモート」で行うことが原則(医療従事者の方々は、子供の通学が特別に認められ、各教育機関でカバープログラムが存在します。これは昼食などのケアも含めます)。

⑭:シニア大学やその他の生涯学習施設、娯楽場や交流施設は閉鎖。

⑮:陸路・空路・海路、全てのルートにおいて、原則、ポルトガル国民の入国・出国の禁止。海外からの帰国者(ポルトガル国籍を持つ者、外国人でも滞在許可証を持つ者も含む)に関し、出入国の目的を証明する必要があります(例:就労、病気の家族のケアなど)。

感染拡大を阻止するため、上記のような規制が敷かれたポルトガル。

ポルトガルでのコロナウイルスの感染者数が大幅に増加。非常事態宣言・緊急的制限措置を施行。

ポルトガル国内でのコロナウイルス(COVID-19) 新規感染者数は、国内居住者100万人あたりの統計で、EU圏内で最多、世界でも2番目に多い国となってしまった。

新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチンの接種が昨年度末(12月27日)に開始され、医療従事者や老人ホーム(特別養護老人ホームを含む)に従事している者、あるいは入居者。そして、心臓や呼吸器、腎臓に疾患を抱える者、そして軍や警察など、国が機能するために必要不可欠な機関に従事する者が「第一優先グループ」と指定され、優先的にワクチン投与が行われている。

しかし、2020年12月28日から感染者数が劇的に増加し、昨日(2021年1月17日)の統計データ(英国のオックスフォード大学や米国のジョンスホプキンス大学発表)では、遂に100万人あたりの感染者増加が世界で2番目に多い国となってしまった。

これは、日本での「大晦日・元旦」に値する「クリスマス」の休暇に関し、厳しい移動制限が敷かれなかったことが(他の市町村をまたぐ移動や、夜間の移動も、翌朝2時まで許可されたことなど)、原因の一つとされている。

大統領選挙が2021年1月24日(日曜日)に予定されている中、事前投票が早くも始まっている。

経済面では、レイオフ(一時解雇/帰休)制度への支援(従業員の給与負担)や商業施設の家賃支払いの負担を最大で50%まで国が負担することが発表されるなど、政府は経済対策の対応にも引き続き迫られている。

ポルトガル財務相が辞任。新財務相にはジョアン・レアオン氏。

6月9日にポルトガルの各メディアで速報として報じられたニュース。ポルトガルの大手新聞社「Público」の記事をご覧ください。

出典:https://www.publico.pt/2020/06/09/politica/noticia/joao-leao-substitui-mario-centeno-ministro-financas-1919988

ジョアン・レアオンがマリオ・センテノに代わり、新たな財務相に。

この交代劇の決断は、補正予算案可決後に、ポルトガル大統領府のウェブページで公表された。新たな財務相の就任は来週月曜日で、それまでに前任のセンテノ氏の退陣はユーログループに報告される。

ポルトガル政府から離れるセンテノ前財務相の代わりは、現在予算担当副大臣に在任しているジョアン・レアオン副大臣。前任者と新任者両名と共に、首相がこの大臣の交代発表を行う。

ジョアン・レアオン氏の大臣としての任命式は、ポルトガルの休日が明け、前財務相が今も指揮するユーログループへセンテノ氏の退任報告が行われた後となる来週月曜日に執り行われる。

筆者のつぶやき:ユーログループはEU圏各国の財務大臣会合で、財務大臣を職を失えば、現在ユーログループの議長を務める同氏は、その議長職からも手を退くこととなる。

これでポルトガルは、この議長職のポストを失うこととなった。

photo credit: European Parliament Vote on EU-Vietman Free trade agreement and other issues via photopin (license)

ジョアン・レアオン新大臣が大臣として初めての国会登壇となるのは、今日6月19日に予定されている、今週火曜日に大臣評議会で可決された補正予算への一般討論となる。

この補正予算作成は、辞職願を出した本人である、マリオ・センテノ前財務相の最後の役目となった。

リカルド・モウリーニョ・フェリックス財務担当副大臣とアールヴァロ・ノヴォ国庫担当副大臣の両名も、前財務相辞任ともに退任する。

予算仕事人

2015年から、ジョアン・レアオン氏は予算担当副大臣として在任し、公共予算や予算政策作成に直接的に関与し、ポルトガルの2019年度の財政バランスは0,2%の黒字化となって終えた。その上、マリオ・センテノ前大臣がユーログループ議長に着任した2年前から、同氏は大臣評議会に精力的に出席していた。

当プーブリコ紙が収集した情報によると、ジョアン・レアオン氏とセンテノ氏の交代劇が意味するものは、与党第1党である社会党(PS)の政権公約を支える柱となったマクロ経済政策の作成を行った2015年、過去5年間の政府予算政策の責任者という立ち位置から見ても、現政府発足当初から財務チームの一員であった新大臣は現行の政策を推し進めるということである。そして、マリオ・センテノ氏と同様に、ジョアン・レアオン氏は社会党の党員ではない。

ポルトガルの新たな財務相は、本人の大学での研究分野や2010年から2014年まで、経済省の研究チームの責任者であった経歴から見ても、ポルトガル経済の深き理解者とされている。2009年から2010年の間には、当時の工業・開発担当次官であったフェルナンド・メディナ氏の補佐でもあった。

筆者のつぶやき:フェルナンド・メディナ氏は、リスボン市役所の現市長。

ジョアン・レアオン氏は、1974年にリスボンで生まれ、新リスボン大学で学士号と修士号を取得後、アメリカ合衆国のマサチューセッツ工科大学(MIT)で経済学の博士号を取得。2008年からリスボン大学学院の講師と着任し、2009年から2010年の間は同学院の経済学術委員会の委員長、そして2011年から2012年の間には、経済学の博士号プログラムの責任者を務めた。

2010年から2014年まで、ジョアン・レアオン氏は経済社会・統計理事会の一員を務め、2010年から2012年までは、OCDE(経済協力開発機構)の経済政策委員会のポルトガル代表メンバーの一員として、数々のグループ研究に携わった。

別れ際、最後の論争

マリオ・センテノ氏は自身の手で辞職願を出した。今取り沙汰されるのは、同氏がポルトガル銀行総裁に任命されるのか否かという点である。

マリオ・センテノ前財務相が財務省から離れる意思は、数ヶ月前からすでに存在していたもので、NOVO BANCOへの新たな公的資金注入問題以前からの話である。

筆者のつぶやき:NOVO BANCOとは、ポルトガルにかつて存在した財閥系の銀行「Banco Espírito Santo(バンコ・エスピーリット・サント)」が経営破綻し、同行解体後、不良債権以外の優先債と預金によって誕生した銀行。つまり「良い銀行」を作り、「悪い銀行」に不要債権を移管した。その銀行に、与野党が要請していたポルトガル国会の再承認を待たずして、予め予算組みしていた公的資金を同行に注入した出来事が物議を呼んだ。

今年の5月13日に首相公邸で開かれた「夜間の緊急会議」。首相が国会にて、銀行への公的資金注入に関し、今年の7月までには開かれる見込みであった資金注入に関する公聴会の終わりを待たずに、政府は公的資金注入を了承しないと断言したにも関わらず、マリオ・センテノ氏が自身の権限で8億5千万ユーロの資金注入を許可していた側面が明らかになっていた。

photo credit: wuestenigel Hand with Euro banknotes over flag of Portugal via photopin (license)