ヨーロッパの「問題児」から「優等生」へ。

ポルトガルの聖地ファティマ

欧州各国が新たなロックダウンや行動制限政策に力を入れる中、一時は100万人当たりの感染者数が欧州最大であったにも関わらず、現在はその数値も欧州で最も少ない国となることができ、ポルトガルは段階的な「緩和」政策施行の段階に入った。

3月15日から営業が許可された業種(つまり、閉店を余儀なくされていた業種)は以下の通り。

・保育園、幼稚園、小学校低学年(ポルトガルの教育制度により、小学1年生から4年生までが該当)、その他の課外教育機関(対象年齢は、前述の教育機関と同じ)。

・ミサ(教会)。集団的宗教行事は引き続き禁止。

・商店(飲食含む)の店頭販売。つまり、入店禁止は継続。テイクアウトなどが該当。飲食店に関しては、「飲料」の店頭販売が許可されたのは大きい。

・本屋、図書館(書物保管庫も含む)、CDショップなどの楽曲の販売を行う店舗。

・自動車販売業、不動産仲介業(共に店舗営業が許可されたことを意味する)。

・美容室・理髪店(マニキュア・ペディキュアのみも含む)。

イースター休暇明けから(4月5日)は、飲食店のテラス席(店舗の外に併設される客席)、博物館、宮殿(入場観光を指す)、ジム(複数人によるグループでのトレーニングは引き続き禁止)などの営業が許可される見通し。

これらの営業の許可は、10万人あたりのコロナウイルス感染者数が120人以下であることが条件とされている。

ポルトガルの新規感染者数は、ヨーロッパの中でも少なくなっている中、今まで「閉鎖」を余儀なくされていた業種の「再スタート」がいつになるのか、感染者数を抑え込みながら、ポルトガルは経済の回復に取り組もうとしている。

ポルトガル財務相が辞任。新財務相にはジョアン・レアオン氏。

6月9日にポルトガルの各メディアで速報として報じられたニュース。ポルトガルの大手新聞社「Público」の記事をご覧ください。

出典:https://www.publico.pt/2020/06/09/politica/noticia/joao-leao-substitui-mario-centeno-ministro-financas-1919988

ジョアン・レアオンがマリオ・センテノに代わり、新たな財務相に。

この交代劇の決断は、補正予算案可決後に、ポルトガル大統領府のウェブページで公表された。新たな財務相の就任は来週月曜日で、それまでに前任のセンテノ氏の退陣はユーログループに報告される。

ポルトガル政府から離れるセンテノ前財務相の代わりは、現在予算担当副大臣に在任しているジョアン・レアオン副大臣。前任者と新任者両名と共に、首相がこの大臣の交代発表を行う。

ジョアン・レアオン氏の大臣としての任命式は、ポルトガルの休日が明け、前財務相が今も指揮するユーログループへセンテノ氏の退任報告が行われた後となる来週月曜日に執り行われる。

筆者のつぶやき:ユーログループはEU圏各国の財務大臣会合で、財務大臣を職を失えば、現在ユーログループの議長を務める同氏は、その議長職からも手を退くこととなる。

これでポルトガルは、この議長職のポストを失うこととなった。

photo credit: European Parliament Vote on EU-Vietman Free trade agreement and other issues via photopin (license)

ジョアン・レアオン新大臣が大臣として初めての国会登壇となるのは、今日6月19日に予定されている、今週火曜日に大臣評議会で可決された補正予算への一般討論となる。

この補正予算作成は、辞職願を出した本人である、マリオ・センテノ前財務相の最後の役目となった。

リカルド・モウリーニョ・フェリックス財務担当副大臣とアールヴァロ・ノヴォ国庫担当副大臣の両名も、前財務相辞任ともに退任する。

予算仕事人

2015年から、ジョアン・レアオン氏は予算担当副大臣として在任し、公共予算や予算政策作成に直接的に関与し、ポルトガルの2019年度の財政バランスは0,2%の黒字化となって終えた。その上、マリオ・センテノ前大臣がユーログループ議長に着任した2年前から、同氏は大臣評議会に精力的に出席していた。

当プーブリコ紙が収集した情報によると、ジョアン・レアオン氏とセンテノ氏の交代劇が意味するものは、与党第1党である社会党(PS)の政権公約を支える柱となったマクロ経済政策の作成を行った2015年、過去5年間の政府予算政策の責任者という立ち位置から見ても、現政府発足当初から財務チームの一員であった新大臣は現行の政策を推し進めるということである。そして、マリオ・センテノ氏と同様に、ジョアン・レアオン氏は社会党の党員ではない。

ポルトガルの新たな財務相は、本人の大学での研究分野や2010年から2014年まで、経済省の研究チームの責任者であった経歴から見ても、ポルトガル経済の深き理解者とされている。2009年から2010年の間には、当時の工業・開発担当次官であったフェルナンド・メディナ氏の補佐でもあった。

筆者のつぶやき:フェルナンド・メディナ氏は、リスボン市役所の現市長。

ジョアン・レアオン氏は、1974年にリスボンで生まれ、新リスボン大学で学士号と修士号を取得後、アメリカ合衆国のマサチューセッツ工科大学(MIT)で経済学の博士号を取得。2008年からリスボン大学学院の講師と着任し、2009年から2010年の間は同学院の経済学術委員会の委員長、そして2011年から2012年の間には、経済学の博士号プログラムの責任者を務めた。

2010年から2014年まで、ジョアン・レアオン氏は経済社会・統計理事会の一員を務め、2010年から2012年までは、OCDE(経済協力開発機構)の経済政策委員会のポルトガル代表メンバーの一員として、数々のグループ研究に携わった。

別れ際、最後の論争

マリオ・センテノ氏は自身の手で辞職願を出した。今取り沙汰されるのは、同氏がポルトガル銀行総裁に任命されるのか否かという点である。

マリオ・センテノ前財務相が財務省から離れる意思は、数ヶ月前からすでに存在していたもので、NOVO BANCOへの新たな公的資金注入問題以前からの話である。

筆者のつぶやき:NOVO BANCOとは、ポルトガルにかつて存在した財閥系の銀行「Banco Espírito Santo(バンコ・エスピーリット・サント)」が経営破綻し、同行解体後、不良債権以外の優先債と預金によって誕生した銀行。つまり「良い銀行」を作り、「悪い銀行」に不要債権を移管した。その銀行に、与野党が要請していたポルトガル国会の再承認を待たずして、予め予算組みしていた公的資金を同行に注入した出来事が物議を呼んだ。

今年の5月13日に首相公邸で開かれた「夜間の緊急会議」。首相が国会にて、銀行への公的資金注入に関し、今年の7月までには開かれる見込みであった資金注入に関する公聴会の終わりを待たずに、政府は公的資金注入を了承しないと断言したにも関わらず、マリオ・センテノ氏が自身の権限で8億5千万ユーロの資金注入を許可していた側面が明らかになっていた。

photo credit: wuestenigel Hand with Euro banknotes over flag of Portugal via photopin (license)

新たなスタートへ。現地の新聞が報じる、ポルトガルのコロナ禍脱出への道。

※ポルトガルの新聞「Expresso」にて、2020年5月29日にオンライン記事として投稿されたものです。

COVID19(コロナウイルス)関連で月曜日からポルトガルで何が変わるのか(リスボン首都圏の18市町村では例外も)

飲食業、百貨店およびショッピングモール、ジム、保育施設および教育施設の運営に関連する、行動制限解除の3段階目が月曜日(6月1日)に施行される。リスボン首都圏においては、ポルトガル国内での新型コロナウイルスの新たな感染者数の大半を占めていることが懸念されたことから、行動制限解除の枠組みから除外された。ポルトガル本島でのバーやナイトクラブの営業に関する新たな指針は発表されなかったが、マデイラ島では同業態店舗の営業は認められることとなる。

リスボン首都圏に特定的に施行される制限

今回の行動制限解除において、特定的な制限が課せられることとなったリスボン首都圏の市町村は以下の通り。

アルコシェテ(Alcochete)、アルマダ(Almada)、アマドーラ(Amadora)、バレイロ(Barreiro)、カスカイス(Cascais)、リスボン(Lisboa)、ロウレス(Loures)、マフラ(Mafra)、モイタ(Moita)、モンティージョ(Montijo)、オディベラス(Odivelas)、オエイラス(Oeiras)、パルメラ(Palmera)、セイシャル(Seixal)、セジンブラ(Sesimbra)、セトゥーバル(Setúbal)、シントラ(Sintra)、Vila Franca de Xira(ヴィラ・フランカ・デ・シーラ)。

特定的制限の概要

⓵ 特定的制限の概要6月4日まで営業停止が継続となる事業および施設は以下の通り。

Loja do Cidadão (ロージャ・ド・シダダオン)※1、ショッピングモール、そして各市町村の行政機関の判断により、400m2以上の規模を有する施設やストリートマーケット(市)が活動制限が課せられることとなる。

⓶ 建設業や臨時作業職などに従事する派遣労働者の疫学的監視(感染症サーベイランス)の実施およびその強化。

⓷ 感染者に関する緊急療養先の構築

④ 集会や人の集まりは、10人まで。

⑤ 民間企業が有する旅客運送用車両の最大定員を2/3までとし、乗客のマスク着用を義務とする。

※1ロージャ・ド・シダダオンは、ポルトガル版の行政サービス出張所。

リスボン首都圏以外の市町村での解除について

テレワークに関して

6月1日から、免疫不全者や慢性疾患を患った方、障害者(能力障害が60%以上の方が対象)や家庭での子供の世話を余儀なくされる在宅ワークの労働者を対象とし、交換制勤務の実施とスタンバイ要員が確保された中での労働が義務となる。

ロージャ・ド・シダダオン(行政サービス出張所)

6月1日から、各所の業務は完全予約制となり、利用者のマスク着用は義務。

各商店や飲食業

6月1日から、店舗規模が400m2以上の商業施設の営業再開が可能に。この対象となるのは、小売店などの商店やショッピングモール内で営業する飲食業の店舗を指しており、レストランなどの飲食業に強いていた店舗内の最大定員数を50%までとする規則もなくなることとなった。しかしながら、これは人と人のソーシャルディスタンスは1,5mの距離を保つことと、そしてアクリル製の感染防止用の障壁などを導入することで、可能となるもの。

教育

6月1日より、幼児教育施設の営業が可能となった。

文化

6月1日より、ポルトガル保健省保険総局の定めに従うことで、映画館、劇場、コンサートホールや講堂の開館が可能となった。

スポーツ

6月1日より、ポルトガル保健省保険総局の定めに従うことで、ジムの利用が可能となった。

海開き

6月6日より海水浴期間が開始となる。

保育施設およびその他の認可外教育施設

6月15日より、教育施設に属さない、認可外教育施設の営業が可能となり、学期末に関する教育活動の開始が認められ、さらに、児童支援活動や各種教室などの営業が認められる。

バーやナイトクラブ

6月1日より、マデイラ島内のバーやナイトクラブの営業開始が認められ、営業は深夜2時までとなる。ポルトガル本島に関しては、未だ解除方針が示されないことから、引き続き店舗内営業は禁止となる。

注:店舗内営業と記したのは、カクテルなどのテイクアウトや配達を行うバーなどが存在するため。

観光

ポルトガルに入国する観光客は、入国時に自宅やホテルなどでの隔離を行う必要はない。

主な原則

5月30日および同月31日より、ポルトガル保健省保険総局の定めに従うことで、宗教的行事や地域社会的およびコミュニティー行事を執り行う事が許可された。

6月1日より、20人までの集会や人の集まりが許可される。(リスボン首都圏より10人多い)

出典:Expresso紙

https://expresso.pt/coronavirus/2020-05-29-Covid-19-e-isto-que-vai-mudar-em-Portugal-a-partir-de-segunda-feira–e-ha-excecoes-para-os-18-concelhos-da-area-metropolitana-de-Lisboa-